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西武・源田壮亮 世界一のうれしさと、シーズン5位の悔しさ/区切りのシーズンを終えて

 

WBCで世界一もシーズンでは個人、チーム成績ともに振るわなかった源田


 源田壮亮にとって30歳の1年は、プロ野球選手としても、人生においても、かけがえのない大きな財産を得たシーズンだったに違いない。

 何と言ってもWBCでの優勝だ。侍ジャパンの中心的存在として栗山英樹前監督からの信頼は特に厚く、その期待に応え、最大の武器である堅守でチームを支えた。大会中、右手小指を骨折するアクシデントに見舞われたが、離脱せず最後まで日本代表の一員として戦い抜くことを選択。2試合を欠場したのみで準々決勝のイタリア戦、準決勝のメキシコ戦、決勝のアメリカ戦とすべてスタメン出場し、優勝に大きく貢献した。また各試合で見せたムダのない鉄壁の守備が世界中から称賛を浴びたことも、源田にとってはさらなる自信となった。世界一の栄誉、そのチームの雰囲気、つくり上げていく過程、そうした経験したすべての要素が宝物となった。

 一方で、ペナントレースは個人としても、チームとしても苦しい結果となった。骨折の影響は大きく、今季の一軍出場は100試合とキャリア7年で最も少ない数字となった。さらに、5月26日に復帰を果たしたものの、当初はまだ腫れは完全には引いておらず、大きな衝動は厳禁だったため、従来のようにバットを短く持つことができなかった。また、指の曲がりも日によって違ったため、バット選びも日ごとに変えなくてはならず苦心。例年2割7分台で安定していた打率も、自己ワーストの.257にとどまった。主将として、チームの5位低迷も心穏やかではないだろう。

 この並々ならぬ悔しさをバネに、来季はこれまで以上の奮起を誓う。

写真=BBM
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