絶対的なレギュラーになるために、秋も無駄にはしない。藤原恭大はアジアプロ野球チャンピオンシップで侍ジャパンの一員として戦った。サポートメンバーを除く本代表では、プロ初選出。日の丸を背負い、貴重な経験を積んだ。
11月18日のオーストラリア戦(東京ドーム)では一番・左翼で先発出場。初回から安打で出塁して先制の起点をつくり、7回には2点適時打。第2打席以外はすべて出塁するなど3安打2打点。大会3試合目でやっと来た出番で結果を残し、「やってやるぞと思ってプレーした。
良い打撃は少なかったが、何とか結果になって良かった」と一息。ともに戦った
万波中正(
日本ハム)、
森下翔太(
阪神)ら同学年の選手の存在には、「練習から意識しながらやっている」と刺激を受けていた。
今季は自己最多の103試合に出場したが、打率は.238。春先は好調を維持して打率でリーグ1位に立ったこともあったが、6月以降に失速。課題に挙げた好不調の波をなくすことはできなかった。
苦しんだ夏場には「(気持ち的に)いっぱいいっぱい。答えがまとまっていない」。弱気な言葉も口をついた。突破口を探して、試合前に村田打撃コーチが付きっきりで指導することも。村田コーチが自ら打撃投手を務め、振り込む姿もあった。
日本代表の井端監督は藤原について「(合宿の)宮崎から状態が良い。これを1年間継続できれば、また代表に入ってくる」と成長に期待。来季は6年目。まずはチームの顔として、信頼を勝ち取りたい。
写真=大賀章好