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DeNA・戸柱恭孝 「生涯横浜」を誓った困ったときの“トバさん” /生え抜きの輝き

 

正捕手奪回にも意欲十分の戸柱


 戸柱恭孝に迷いはなかった。

「横浜のために頑張ろうという気持ちですし、頑張らないといけない」

 昨年11月14日、国内FA権を行使せず残留することを表明。球団からは4年契約を提示された。4月で34歳。事実上の「生涯横浜」となり「このチームが好きだし、このチームで優勝したい」と力を込めた。

 2016年にドラフト4位で入団。今永昇太柴田竜拓と同期で、長く不在だった正捕手候補として期待された。左打ちで背番号10。当時のアレックス・ラミレス監督は「ハマのシンノスケ」と巨人阿部慎之助(現監督)のようなイメージを持った。実際にルーキーイヤーから124試合、2年目も112試合に出場したが、どん底も経験した。打撃不振や大量失点が重なり、3年目は自己最少の25試合と出番が激減。「苦しいときに支えてくれた人がいるから、頑張れたと思います」と感謝を口にした。

「ここで腐っちゃいけない。絶対にチャンスは来る。お前は必要な選手だから」

 二軍生活でいつも励ましてくれた後藤武敏(現楽天)や石川雄洋はもう、チームにはいない。ベイスターズひと筋に限れば、35歳の宮崎敏郎に次ぐ年長選手。時は流れ、経験を伝える立場になった。

 昨年は70試合に出場。先発は43試合で、48試合の伊藤光、52試合の山本祐大と分け合った。「選手である限り、そこは常に目指していくべき。負けていられない」と正捕手奪回にも意欲十分。年末年始はほぼ無休で自主トレに励み、2023年のドラフト1位・松尾汐恩の入門も受け入れた。困ったときのトバさん。DeNAには極上の女房役がいる。

写真=BBM
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