チェンジアップの精度を上げて成績向上を今季は目指す
「魔球」復活なるか──。
濱口遥大が投じるチェンジアップは、対戦した打者から「消える」と称され、10勝をマークした1年目の日本シリーズでは初対戦の
ソフトバンクの強力打線を相手に8回一死までノーヒットノーランの快投を見せるなど、初見でとらえることは困難なウイニングショットとして有名だ。
7年目の昨季は14試合に登板し3勝7敗、防御率4.50。プロ入り後ワーストとも言える成績に終わった要因の一つに、ウイニングショットの数値の悪化が挙げられる。チェンジアップの被打率は8勝をマークした一昨年の.203から昨季は.233に悪化。奪三振率も同20.3%から16.6%に低下し、決め球としての力を発揮できなかった。
昨季は開幕から5連敗。「コーチから打者が崩されていない、抜け切れていないのが気になるという話があって、自分でもそれで安打を打たれていることが増えていた」とチェンジアップについて課題を口にしていた。二軍調整期間で「フォームの間合いをまず少し修正して、腕を振りながらしっかりボールは抜けていく感覚を求めて」再調整し、8月10日の
中日戦(横浜)では完投で待望のシーズン1勝目を挙げるなど、結果も残した。
石田健大、
東克樹らチェンジアップの使い手がそろうチームの中でも「横浜(
DeNA)の投手で、この握りをしているのはたぶん僕だけ」と語る濱口の独特なウイニングショット。オフにはプエルトリコのウインター・リーグで武者修行するなど研鑽を積んだ。宝刀のキレ味を取り戻し、8年目左腕が逆襲を期す。
写真=BBM