新庄剛志監督にとって勝負の就任3年目は、結果を求めるシーズンだ。「最低でもAクラス」と具体的な目標を掲げた上で「球団も補強に力を向けてくれた。結果が出せなかったら、僕の責任」。今季は“トライアウト”と銘打って選手に経験値を与え、成長を促してきた昨季までとは違う。今春キャンプも開幕ダッシュへ向けて「鬼になって入れ替えも考えながら絞って、開幕スタメンを決めていきたい」と位置づける。

　昨年に続いて春季キャンプ序盤から紅白戦を数多く実施したのも、ふるい落としを早めてチーム力をブラッシュアップさせる狙いだ。「やっぱり何試合かで光っている選手って分かる。去年は結構みんな光り過ぎていて悩むかなと思ったけど、ケガ(人が続出)で悩めなくなって……。でも、今年はスタートする前から悩む」。過去2年で成長した選手たちと新戦力が融合し、各ポジションで熾烈な競争が繰り広げられている。

　チームの底上げができ、今後の成長力も備える集団となったことで、シーズン中も積極的な入れ替えを行うつもりだ。「今年は(ポジションが)被った選手は二軍で試合に出させて(一軍選手の)調子が落ちたら変えていく。ずっとベンチにいるよりいいと思うし、全選手に『二軍じゃないんだよ』って伝えていきたい」。キャンプ中は育成の福島蓮や柳川大晟の名前を挙げるなど、長短期の視点を持ちながら戦力の見極めを進める指揮官は「やっとね、戦える戦力が固まってきた」。新庄流の全員野球で勝つために、全選手に刺激を与えながら戦力を整えている。

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