小久保監督の下、強く、美しく──これ以上負けるわけにいかない
リーグ優勝、日本一に向けて二軍監督から“昇格”した新指揮官は、春季キャンプのテーマに「チーム練習の質向上」を掲げる。全体練習を濃密にした上で、午後の自主練習の時間を長く設定。選手の主体性も養い、チーム力の底上げを進めるのが、
小久保裕紀監督の狙いだ。
若手・中堅の突き上げは急務と言える。
山川穂高やA.
ウォーカーが加入し、打線はさらに強力となった。それでも、レギュラーが決まっているのは
柳田悠岐と
近藤健介のみ。今宮や甲斐ら30代の実績者たちにも、定位置争いを求める。注目は9年目捕手の
谷川原健太。俊足強肩で外野もこなせるが、捕手に専念する今年は、
城島健司球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーターも付きっ切りで指導するなど、
甲斐拓也を脅かす正捕手候補としての期待は大きい。
投手では、昨季12球団で唯一、規定投球回到達者なしとなった先発陣の安定が求められる。
和田毅と
有原航平は開幕ローテーション入りが決まっており、調整は本人に一任。残りの枠を
東浜巨、
石川柊太の実績組や、
大関友久や
板東湧梧のほか、L.
モイネロらの先発転向組などが争う状況だ。期待は先発転向する2年目の
大津亮介。「七色の変化球」とも賞される、多彩な変化球は先発向き。救援陣は
甲斐野央が抜けたものの、守護神の
ロベルト・オスナや、
藤井皓哉、
松本裕樹の「勝利の方程式」は盤石だ。
小久保監督は「強いチームをつくること」「王イズム(
王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーの考え方)の継承」「最先端技術の取り入れ」の3つの軸を掲げる。新たな風を吹き込む新指揮官が、「常勝ホークス」の復権を目指す。
写真=BBM