ポジションは、自らの手でつかみ取る。ドラフト2位ルーキー・松本健吾が、上々の滑り出しを見せた。2月21日に行われた
楽天との練習試合(浦添)で初実戦。2回で3安打を浴びながらも無失点デビューを果たし、開幕一軍入りへアピールした。
「ホッとしました。1イニング目は緊張もあって、固さもあったんですけど、2イニング目はしっかり自分のボールを投げられましたし、収穫と課題が見つかった。打者に投げるのは大事だなと思いましたし、2イニング目は楽しくできた」
ゲームメーク能力の高さを見せた。この日の最速は146キロだったが、カーブや
伊藤智仁投手コーチから学んだスライダーなどの変化球をストライクゾーンに集めて勝負。今春の沖縄・浦添キャンプに臨時コーチとして訪れたトヨタ自動車の先輩、
古田敦也氏(元
ヤクルト)からはストライク先行の重要性を説かれており、「変化球も真っすぐもゾーンの中で、右と左の外にもしっかり投げ切れていたのはよかった」。課題も挙げ「追い込んでからのボールの高さだったり、簡単に(ストライクを)取りにいくと、打者も打ってくるので、そこはこれから練習していきたい」と表情を引き締めた。
高津臣吾監督は「ストライクが入るというのはすごく大きな武器だと思っている。もっともっと投球のコツというか、打者に対して、という部分をもっと磨いていけばいい。いいピッチングだったと思います」と評価した。即戦力として期待される右腕が、浦添から一歩目を踏み出した。
写真=BBM