高卒3年目の今季、レギュラー奪取を誓う前川
開幕を直前に控えても
前川右京は冷静だった。キャンプ、オープン戦と最終まで一軍に食らいついてきたが、それでも自分で課題を探していた。
「打撃も良くなったけど、まだ打ってはいけない球に手を出したりするので、我慢しながら、打つべき球をしっかり打てるようにしたいです」
沖縄一軍春季キャンプで野手MVPに選出された男。オープン戦でも思い切りと粘り強さを見せつけながら結果を残してきた。一気に定位置獲りといきたいところだ。
特に
楽天の
田中将大、
中日の
ライデル・マルティネスら主力級のピッチャーを打ち込んだのは大きかった。しかも徐々に変化球にも対応できるようになった。
前川も「簡単に終わらないのは良かった」としぶとい打撃を心掛けてきた。あとは
シェルドン・ノイジーらのライバルとかぶるポジショニングをモノにすることだ。
外野陣は中堅が
近本光司、右翼は
森下翔太で固まった。本職はライトだが、キャンプから「幅を広げたい」とレフトの守備練習にも取り組んできた。
「結果ばかりに目を向けると、違うところをおろそかにしてしまう。1打席1打席、1球1球、毎日毎日が勝負です」
3月29日、開幕の
巨人戦(東京ドーム)は六番・左翼でスタメン出場。2回の第1打席で
戸郷翔征から左前打を放つなど3打数1安打だった。高卒3年目の20歳。シーズン序盤からド派手に暴れてレギュラーを獲得したい。
写真=BBM