正捕手としてどっしり構え、試合に出続けて個人もチームも飛躍イヤーにしたい。
昨季は6月にワンバウンド投球の処理で右手甲を骨折したための離脱期間もあり、出場は3年ぶりに100試合を下回る89試合となった。
今年は国内FAの取得イヤーでもある。打って守って、評価を上げたい。
「大事なシーズンです。妻も子どももいます。33歳の年ですし、まだベテランと呼ばれるほどの年齢でもありません。フレッシュに、どんどん前向きなプレーで頑張りたいと思っています」
オープン戦から存在感を示す一打を放った。3月12日の
西武戦(ベルーナ)では、2回二死二塁で昨季11勝右腕から適時打をマークした。
平良海馬の外角スライダーを右前へはじき返してチームは先制をゲット。
「打てるボールを打てました。(平良の球は)全部一級品。エース級と当たるときは、簡単にチャンスは来ないので」と振り返った。
捕手のライバルは
宇佐見真吾、
加藤匠馬、
石橋康太。オープン戦では最も多くスタメンマスクをかぶった。
「シーズンを意識しながら試合に臨んでいます」。投手の頭数はいると評価される立浪竜。サインを出す木下の指から、試合は始まる。
成績を出して、堂々と交渉の席に着きたい。法大、トヨタ自動車を経て入団9年目。国内FA権に関しては、昨オフに残り日数を調べ、「順調にやっていれば、難しいことではありません」。これまでやってきた自分に対するひとつのご褒美。堂々と所属球団と交渉できる。
他球団との交渉は……。「まだ、そんなこと考える余裕ないですね。シーズン始まってないんですから」と笑い飛ばした。
見ているのはチームの勝利。1勝する大変さは味わってきた。勝利を積み重ね続ける苦労を知って最高のシーズンにしたい。
写真=BBM