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広島・末包昇大 “大外”からリーグ優勝の原動力に/2年目のジンクスに挑む

 

長打力アップへ、末包の1日も早い復帰が待たれる[写真は2023年シーズン]


 勝負の1年は、波乱の幕開けとなった。宮崎・日南キャンプ直前の1月下旬の自主トレで、末包昇大は「左膝内側半月板損傷」のケガを負った。昨季は球団の入団2年目としては2013年の菊池涼介以来となる2ケタの11本塁打。今季は、長距離砲としての頭角を現して迎えた“実質2年目”だった。

 左膝は社会人時代からの古傷でもあった。当初に自身が思い描いていた復帰時期からはズレ込み、シーズン開幕に間に合わず。だが、実戦には復帰済み。3月26日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)の第1打席で右前打。復帰戦は1打席でベンチへと退いたが、翌日の同戦は2打席立って1安打。着実に一軍復帰に向けたステップを重ねている。

 負傷直後には鼻をふくらませ、「大外からまくりたい」。今季は西川龍馬の移籍で、外野の1枠が空いた。オープン戦は外野のライバルでもある田村俊介が、12球団2位タイの3本塁打と存在感を発揮。一方で長打力が期待された新外国人2人は不振からの故障離脱。一塁も守れる末包が復帰すれば、まだ入り込む余地は残されている。

 1月には2年連続でカブス・鈴木誠也に弟子入りした。「去年は分からない部分、できない感じがあった。今年は『だいぶ良くなった』と言われて、自分でしっくり来ている感じもあった」と、技術向上に手応えをつかんでいた。昨季はチーム110試合目から9本塁打の量産。痛恨の出遅れではあったが、「チームの優勝の原動力になれるように」と掲げた目標の達成は十分に可能だ。

写真=BBM
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