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ヤクルト・西川遥輝 経験と準備でカバーする/○○で魅せる!

 


 快速を飛ばしてフィールドを駆け回る。新加入の西川遥輝の真骨頂だ。3月29日の開幕戦(対中日、神宮)。二番・右翼でスタメンに名を連ねた。8回二死二塁の場面で、前の打者である塩見泰隆が申告敬遠で歩かされると、移籍後初安打となる右中間への2点三塁打を放った。

「最後まで僕だけヒットが出ていなかったので、ミンゴ(サンタナ)がヒットを打って焦りはあった。冷静に塩見は歩かされるかなと、自分の中で計算できていたので腹をくくっていった。悔しい気持ちもありますし、『なにくそ』と。『ここで打たんかったら』という気持ちでいきました」

 外野の間を真っ二つに割る痛快な打球。無駄のない走塁技術。何よりも盗塁王を4度獲得したスピード。西川の魅力が詰まった一打だった。

 さらに、自慢の足を使って守備でも勝利に貢献した。9回無死満塁では、左中間の打球をフェンスにぶつかりながら好捕。抜けていれば大量失点は免れなかっただけに、ビッグプレーとなり「経験と、あとは準備だと思う。若々しさは欠けるかもしれないけど、そこは経験でカバーできる部分。あとは準備を怠らないということかな」とうなずいた。

 昨季まで通算332盗塁を誇った韋駄天。同学年で、3度の盗塁王に輝いた山田哲人でさえも「やっぱり遥輝は体が強いし、すごいなと思いますね」と尊敬のまなざしを向け、高津臣吾監督も「大きな武器を持っている」とたたえる。V奪回に向け、重要な新戦力の活躍。西川の「足」が何度も勝利に導くことを期待したい。

写真=BBM
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