これ以上ないリスタートだ。高橋礼は新天地で居場所を見つけた。4月7日の
DeNA戦(東京ドーム)では2度目の先発登板で6回無失点。2021年4月17日の
西武戦(メットライフ)以来、1086日ぶりの白星を挙げ、観衆4万人を超える東京ドームのお立ち台で感慨を込めた。
「3年間、結果が出ない中でも応援してくださるファンがいたからこそ、ここまで頑張れた。恩返しができたのは良かったと思います」
昨季終了後、救援右腕の
泉圭輔とともに、
ソフトバンクから
ウォーカーとの交換トレードで加入した下手投げ右腕は、2年目の19年に先発で12勝をマークして新人王に輝き、同年のプレミア12では日の丸を背負った。だが、昨季まで3年間で計1勝とくすぶっていた。
心機一転の出直しを図った今季はオープン戦から順調にアピールし、開幕先発ローテの座をつかんだ。移籍後初登板となった3月31日の
阪神戦(東京ドーム)では6回無失点。勝ち負けはつかなかったが、「こういうふうに注目していただいた中で投げられるのは本当にうれしい」と新天地でのやりがいをかみしめた。
復活を後押しした阿部監督は「僕も(現役時代に)対戦したことがありますけど、いい投手。変則(投法)ならではの投球術を扱えている。(好結果は)必然と言ったら必然かもしれませんね」と、期待に応えたサブマリンに目を細める。4月14日の
広島戦(東京ドーム)では7回1失点で2勝目をマーク。まだ28歳。高橋礼の新たな野球人生が始まった。
写真=BBM