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ヤクルト・村上宗隆 待望の一発をきっかけにして/本領発揮はこれからだ!

 


 主砲が、目覚めた。4月14日のDeNA戦(横浜)。村上宗隆が今季54打席目で待望の初アーチを架けた。1回の第1打席、大貫晋一の直球をバックスクリーン左まで運んだ。苦しみながらも2024年の『開幕』を告げた。

「しっかり芯でとらえられて、角度もよかったので、行ったかなと思いました。なかなかホームランが出ていなかったので、久々に打ててうれしかったです」

 思わず声も弾んだ。2022年に史上最年少で三冠王に輝いた男は昨季、打率.256、31本塁打、84打点で無冠に終わった。悔しさを胸にオフシーズンは動作解析で自身を見つめ直し、姿勢を伸ばすなど打撃フォームの修正にも着手。再び「三冠王」という目標を達成するため、がむしゃらに汗を流してきた。

 ただ、シーズン開幕から安打は出るものの、本塁打は出ず、打点も記録できなかった。四球が多く、勝負を避けられる場面もあった。同13日の同戦から四番ではなく、出塁率の高さを考慮されて二番を任された中での欲しかった一発。偶然か、必然か、2016年に発生した「熊本地震」から8年がたった日だった。

「なかなか野球ができない期間もありましたし、それを思うとこうやって元気に野球ができているのはすごく感謝しなといけない。それをあらためて感じながらできているのかなと思います」

 ヤクルトは開幕から苦しい状態が続いているが、まだ始まったばかり。村上が本来の姿に戻れば、必ずチームも浮上していく。

写真=BBM
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