36歳のベテランがさまざまな面でチームの力となっている
私欲を抑え、チーム第一を心に決めている。
「一人ひとりの意識の問題だと思う。これだけのメンバーがそろっていたら、必ず優勝できる。来年を楽しみにしています」
昨年12月、
大和がはっきりと言った。チーム最年長だった
藤田一也(現育成野手コーチ)が現役引退。36歳の自身が重要な立場を受け継ぎ「一也さんにおんぶに抱っこだったので。より一層、チームを見てやっていきたい」と決意を新たにした。
阪神からFAで移籍して7年目。昨季は88試合で打率.235だった一方、得点圏では打率.328と勝負強かった。
「本当に毎試合毎試合、自分の中で精いっぱい戦ってきた」
本職の遊撃に加え、一塁での先発出場も経験した。前年には、幼少期から慢性腎臓病を患っていることを公表。「同じ病気を持つ子どもたちに勇気や希望を与えられるのは、現役中だけ」と使命感を持ち、視野を広げて行動もした。
「ちょっと、体重が増え過ぎている。若いから動けるけど年々、腰や膝に(負担が)来そう」と指摘したのは新キャプテン・
牧秀悟について。出身地の鹿児島・鹿屋で行う合同自主トレでは大好物だったコーラなどを断たせ、食事面で徹底管理した。
1998年以来の優勝を目指すチームは若手主体。「自分の中で自分の立ち位置は分かっている」とプロ19年目の今季は15試合と限られた出番で、22打数8安打の打率.364(5月7日現在)のハイパフォーマンスを継続している。グラウンド内外で放つ、唯一無二の存在感。貢献の仕方は、いくらでもある。
写真=BBM