週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

中日・山本泰寛 目標は100試合以上出場/いぶし銀の輝き

 


 安定したプレーでチームを支えている。昨オフに阪神を戦力外となり、中日に入団した山本泰寛だ。

 今季初スタメンとなった4月13日の阪神戦(バンテリン)。古巣相手に3安打1打点の活躍で移籍後初のお立ち台へ。「ヒーローインタビュー自体が久しぶりです」と満員の中日ファンに照れ笑いを浮かべた。

 しぶとい打撃もさることながら、立浪和義監督が掲げる「守り勝つ野球」にマッチした。同17日のヤクルト戦(同)では、8回から守備固めとして遊撃へ。無死一塁でオスナの二塁のベース上に高くバウンドしていったゴロを回り込んで捕球すると、右足でベースに触れ、そのままジャンピングスローで一塁に送球。これしかないというプレーで併殺を完成させた。

「途中から出ていくのは難しい部分もありますが、打球のイメージはできていた。ゲッツーを取れてよかった」

 遊撃は開幕当初、ロドリゲス村松開人の併用が予想されたが、そこに割って入る活躍を見せている。立浪監督も「守れるし、打撃技術もある。期待しています」と大きな評価を与えている。田中幹也の休養時は二塁にも入る。

 2016年にドラフト5位で巨人に入団し、21年に阪神へ移籍。昨季は一軍出場なしに終わり、戦力外通告を受けた。「我慢して、自分の技術向上に向けてやってこられた」と山本が言う。

 プロ9年目の30歳の目標は100試合以上の出場。キャリアハイは巨人時代の19年の92試合。「若い選手が多い。その中でこれまで経験したことや堅実さをアピールしていきたい」。グッと耐えた先には、大きなチャンスが待っていた。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング