仲間が打ち込まれる中、最速157キロ右腕が存在感を発揮した。ドラフト4位ルーキーの江原雅裕が、2月11日に行われた
日本ハムとの練習試合に6回から四番手で登板。プロ入り後初の対外試合となったが、1回を三者凡退。まずまずのデビューを果たした。
緊張感は感じさせなかった。それほど力感を感じさせないフォーム。140キロ台後半の直球を軸に日本ハム打線に立ち向かった。先頭の五番・
山口アタルは中飛。マルティネスは内角低めの直球で見逃し三振。続く代打・
吉田賢吾は左飛に仕留めた。丁寧に低めを突いた投球で、打者3人を13球で料理した。「いい感じで投げられた。腕を振って投げる、打者に向かって投げる、右打者へ内角を使うというのがテーマだった。そこはできたと思う」と振り返った。
キャンプは一軍スタート。国学院大、日鉄ステンレスを経て入団した右腕は、即戦力として期待される。社会人時代から、練習前には手作りしたシャドーピッチング用の棒を使用するなど独自の工夫をこらす。その効果は本人にしか分からないが、練習に真摯(しんし)に取り組む姿勢は、首脳陣も評価する。
初めての対外試合では結果を残したが、カーブとフォークは制球が乱れる場面もあった。まだ2月中旬だが、開幕一軍入りを果たすには勝負球の精度を上げることも必要になる。「開幕一軍に残れるように、もっといい投球ができるよう頑張りたい」と意気込む。24歳のルーキーは、1日も無駄にすることなく、まずは第一の目標を達成する。