
慢心することなく、キャンプでも練習に打ち込んだ才木
沖縄キャンプも終盤に差し掛かったが、
才木浩人の調整は順調に進んでいる。ブルペンでもさすがの存在感を発揮してきた。
しかし、本人は「キャリアハイといっても、タイトルも獲れていない。やることは多いと思っています」と慢心はどこにも見当たらない。
昨シーズンは25試合に登板して13勝3敗、防御率1.83で文句なしの成績を残した。2023年が8勝5敗、22年が4勝1敗だったと思えば大きな飛躍のシーズンとなった。
着実にステップアップしてきた才木の力量を考えれば、最低でも2ケタ勝利をマークしたときに実績2年目が認められる。もっとも本人は自身が置かれた立場を十分に分かっているようで「球団の顔をいうほど活躍していない」と言い切った。
先発で防御率が2年連続1点台となれば、球団では1966年のザトベック投法で君臨した
村山実以来、59年ぶりの快挙となる。「昭和の怪物」に並び、追い越すには「イニングを投げて、しっかりゼロに抑えないといけない」と気を引き締める。
そのためにはキャンプで上下バランスに重点を置き、フォームチェックを入念に続けた。そしてあくまでもストレートにこだわっていく。昨季の反省に立って、いかに夏場を乗り切るかも課題だろう。才木は「一番以外に価値はないと思っています」と公言する。
沢村賞にも「そこは狙っていきたい」という。そして「タイトルを総なめにしたい」と力強く言い切るのだった。
写真=BBM