正遊撃手として期待をかけられる森敬斗は、開幕戦の先発メンバーに名を連ねたが、地位を確立できないまま二軍での調整を命じられた。4月26日に出場選手登録を抹消。「何としてもレギュラーを取らないといけない年」と6年目を迎えたが、出足でつまずいた。
今季は登録抹消時点で13試合に出場し、打率.175と状態が上がらなかった。オープン戦は12試合で打率.042。「数字は気にしていた。良い打球を出したくて、どんどん悪い方向にいってしまった」と吐露した。結果を求めるあまりスイングに力みが生じていたため、体の軸を意識したコンパクトな振りを心掛けたが、なかなか好転しなかった。
三浦大輔監督が二軍を指揮した2020年に桐蔭学園高からドラフト1位で入団し、有望株として育てられてきた。昨季は終盤に出場機会を増やし、ポストシーズンは全試合に先発。日本シリーズでは打率.300を記録し、8番から上位につなぐ得点源として日本一に貢献した。
再調整を告げた三浦監督が「レギュラーを目指してやらなきゃいけない選手。1カ月も2カ月もゆっくりさせるつもりはない」と発破をかけたように、球団の期待値は高い。森自身も立場を理解しており、気負いが空回りしたところもあった。
2軍では昨季終盤の躍進を支えた
石井琢朗野手コーチらと打撃を見つめ直している。「昨季はフルで活躍できたわけじゃない。貢献できたわけでもない。チームの中心にいられるように」と力を込める23歳が、一本立ちに向けて巻き返す。
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