
四番として試合に出ていることを意気に感じながら打席に立つ
ベテランが再び輝きを放っている。5月15日の
西武戦(みずほPayPay)で自身2年ぶりに四番に入った
中村晃。
山川穂高の不振で新たに“就任”すると、17日の
楽天戦(同)では先制の適時三塁打を放つなど早速、結果を残した。冷静なバットマンはこれまでどおりと強調しつつ、「試合に出られている。本来ならばなかった打席ですから、そういうのは幸せに感じてやっています」。スタメンで出られていることへの充実感をにじませる。
昨季は代打中心の起用で101試合。慣れない役割で打率.221、0本塁打、16打点と大きく成績を落とした。巻き返しを期す今季は、開幕前に
小久保裕紀監督から「グラブを置いていいよ」とも伝えられていた。しかし、チーム状況が一転。続出する離脱者に加えて若手も振るわない中、4月17日の楽天戦(みずほPayPay)からは一塁起用が
メインに。スタートダッシュに大きく失敗したチームの中で、欠かせぬ存在となっている。
2014年に最多安打を獲得した打撃センスは健在だ。18試合連続出塁をマークするなど打率、出塁率ともに高い数字をキープ。中村晃自身は好不調の波の少なさを要因に挙げ、目標に掲げていた通算1500安打の達成も視野に入ってきた。
「去年はちょっと自信をなくした部分はありましたけど。去年があるから今年があると思う」
プロ18年目を迎え、
柳田悠岐の離脱以降は一軍最年長としてチームを背中で引っ張っている。
「しっかり前に進めているんじゃないかなと思いますし、本当に楽しい」
苦境のチームを救う、その表情は柔和だ。
写真=BBM