飛躍のシーズンとなりそうだ。山崎伊織は3、4月度で自身2度目となる月間MVPを受賞した。5試合に先発して4勝0敗、35イニング連続無失点で防御率0.00という圧巻の成績だった。「監督をはじめコーチの方々や動作解析をしてくれている方たちに、悪くなったときにいい方向へすごい手助けしてもらった。いろんな方のおかげだと思います。すごくうれしいです」と感謝した。セ・リーグ記録を更新した開幕からの連続イニング無失点はその後、「36」まで伸ばした。
順調に開幕を迎えたわけではなかった。昨年末に戸郷から開幕投手の座を奪うべく立候補して臨んだが、オープン戦は5試合に登板して防御率6.48。過去2年連続で10勝を挙げた右腕は、二軍登板の“追試”を経て滑り込みで開幕ローテーション入りを決めたほど、結果が出ない日々が続いていた。
しかし、開幕後はそれがウソだったかのような快進撃。要因は決め球であるフォークボールの改良だ。
阿部慎之助監督や
内海哲也投手コーチから握りを浅くするよう助言され、「キャンプで練習したものとまるっきり変えた。正直、あまり投げてこなかった投げ方」という“突貫工事”が見事にハマった。球速と制球力が向上し、「ストライクゾーンに投げるのが怖くなくなった。真っすぐに近いイメージで腕も振れている」と、ストレートと並ぶ全投球の約3割を占めるほどになり、投球がガラリと改善した。
ついに復活気配を見せ始めたエースの
戸郷翔征とともに、進化した背番号19がチームを支えていく。
写真=BBM