
リリーフとしてマウンドに立ち、チームのために腕を振っている
開幕から大化けしたのは
及川雅貴だった。「開幕一軍と2ケタ勝利」を目標に掲げたのは、先発枠を意識したからだった。
「どこで投げるにしても無失点で帰ってくることに変わりはないです。とにかくゼロで抑えることだと思っています」
ただ高卒6年目の左腕が輝いたのは中継ぎのポジションだった。「ショートリリーフ」に居場所を見つけて投げまくっている。
開幕2戦目になった3月29日の
広島戦(マツダ広島)から5試合連続の無失点でブルペンに定着した。
4月11日の
中日戦(甲子園)から11戦連続ゼロ封だった。手痛い一打を浴びたのは5月15日の
DeNA戦(横浜)。この試合は0対0の8回、
牧秀悟に中前タイムリーを許した。これが開幕から登板18試合目で初めての自責点だったのだ。
春季キャンプでは2005年リーグ優勝の立役者でリリーフの
ジェフ・ウィリアムスからスライダーについて指導を受けていた。左腕から変化球を繰り出す際に右肩が上がるクセを修正しながらフォームを固めた。「自信をもって投げられている」と手応えをつかんだ。
ハビー・ゲラが離脱するなど厳しい状況だったブルペンを変身した及川が救った。今ではすっかりベンチの信頼を得ている。
大化けしたサウスポーは「1年を通して戦力として投げ切りたい」と2年ぶりのリーグ優勝を果たすための貴重なピースになるつもりでいる。
写真=BBM