
本塁打でセ・リーグトップを走る佐藤輝
四番に定着した
佐藤輝明にとって、今年はまた違った交流戦になりそうだ。1年前はファーム落ちを経験し、交流戦途中の6月初旬に一軍に昇格した。
そもそもチーム自体が交流戦は苦手で、佐藤輝も9試合出場にとどまって打率.182、0本塁打と快音を残せなかった。しかし今シーズンはひと味違う。
佐藤輝本人も「ずっとやってきたことが少しずつ形になりつつあるのかもしれないです」と手応えを感じている。今季は何より打席での安定感が増してきている。
開幕当初は三番を打ってきたが、4月15日の
ヤクルト戦(松山)から四番に入ると、そこから定着。4月度は自身月間最多の8本塁打をマークするなど、持ち前の長打力をアピールしてきた。
開幕前のドジャースとのプレシーズンマッチで、サイ・ヤング賞獲得経験のあるブレイク・スネルから本塁打を放ったのは記憶に新しい。その勢いのまま打ちまくった感が強い。
三振も多いが、打率は3割近くを打っており、何より左方向への一打も目立つ。「自然にそっちに打てるように練習してきた」と階段を上がってきた。
1年目(2021年)の交流戦は、5月28日の
西武戦(メットライフ)で、
巨人長嶋茂雄以来63年ぶりの新人1試合3本塁打を放っている。ただ1試合5三振もあった。
プロ5年目は四番の雰囲気も醸し出している。交流戦開幕カードの
日本ハム戦(エスコンF)では3試合で3本塁打。三塁では守備力も向上し、交流戦に備えて外野に就くこともあった。チームにとっても佐藤輝のパフォーマンスがカギを握る。
写真=BBM