
数少ないチャンスをものにしている
歓喜の輪の中心で叫び、ナインらとハイタッチを繰り返した。4月27日の
ソフトバンク戦(
楽天モバイル)。同点の延長11回、無死満塁の絶好機。代打で登場したのは切り札の
渡邊佳明だった。1ボールからの2球目、
津森宥紀の外角直球を強振。左越えにサヨナラ打を放った。チーム今季初のサヨナラ勝ちに、
三木肇監督とも抱き合って喜びをかみ締めた。「大きい体が待っていてくれていたので、思わず飛びついてしまいました」と満面に笑みを浮かべた。
今季2度目となるサヨナラ勝ちも、代打・渡邊佳がもたらした。5月13日の
ロッテ戦(楽天モバイル)。同点の9回一死一、三塁。代打で起用されると左犠飛。「持ってますね。両方とも代打なので。皆がつないでくれたり、頑張って抑えてくれたりした結果です」と笑顔で振り返った。
6月23日時点で代打では16試合に出場し13打数4安打で打率.307、3打点。驚異的とも呼べる成績の理由は「必死、必死です」。一球だけに集中してスイングした結果だという。二軍監督時代から知る三木監督は「彼のいい部分は思い切ってバットを振っていけるところ。当て勘があると言うか、バッティングの技術が高い選手」とミート力を含めて評価する。
同日時点で43試合に出場し打率.305。もちろん、先発で出場したい思いもあるが「三木さんにはすごく感謝してますし、三木さんも多分、僕のことを分かってくれている」。起用された状況でベストを尽くすという思いは変わらない。日々、何かしらの爪痕を残すべく、その一振りに魂を込める。
写真=BBM