あこがれの場所に、懸命に向かう。太田椋が夢だった球宴への初出場を手中に収めている。ファン投票では6月23日の最終の中間発表時点でパ・リーグの二塁手部門でトップ。2位以下にも大差をつけているため、自身初のオールスターの出場を確実としている。
今年は本拠地・京セラドームで第1戦(7月23日)を開催予定。太田は11歳だった当時、オールスターの舞台で始球式を務めた経験を持つ。2012年7月20日に京セラドームで行われたオールスターゲーム第1戦で、始球式のマウンドへ。今のプロ人生につながる、貴重な体験だった。
「新鮮でしたね。あのとき、初めて京セラドームのブルペンでキャッチボールして、肩をつくらせていただきました。父親(暁さん・現打撃投手)の影響もあって、ドームには何度も行ったことはありましたけど、マウンドに立ったことはなくて、初めてでした」と、鮮明に覚えていると話す。
13年の歳月を経て、夢の舞台での活躍を目指す。昨季も代替選手として球宴出場の切符を勝ち取っていたが、右足を負傷した影響で出場を辞退していた。今季もケガの影響で欠場する期間があったが、本拠地のグラウンドで成長した姿を見せつけたいところだ。
「(始球式をした)あのとき、投球が届かなかったんです。ワンバウンドになった記憶があります。だから、遠いな、広いなと感じました」
今度はマウンドではなく、打席に立ってアーチを狙う。大きくなった“太田少年”が、同じ球宴の夢舞台で成長した姿を披露する。
写真=BBM