
高卒4年目の今季、攻守走のすべてで躍動している滝澤
西口文也監督が「全ポジション、レギュラー白紙」と明言して迎えた今季。ポジション争いが激化するなか、「今年が勝負」と目の色を変えて挑んでいるのが
滝澤夏央だ。高卒で育成選手として2022年に入団しながらも1年目の5月に支配下登録。当時、長期離脱中だった
源田壮亮の抜けた遊撃で遜色ない守備力をアピールした。
だが23年は打率.188、24年は.186と打撃で結果を残せず。定位置争いに割って入ることができずにいたが、今季は明らかに変わった。初めて開幕一軍入りすると、3月30日の
日本ハム戦(ベルーナ)で先発出場。左ハムストリングスの筋損傷で5月22日から6月2日まで出場選手登録を抹消されたが、一軍復帰後もスタメン起用が続いており、レギュラーの一人として着々と足場を固めつつある。
最も成長を示しているのが打撃だ。主に二番を任され、「先頭の
西川愛也さんが先に塁に出てくれればつなぐとか、出なければ四球なども含め、とにかく出塁するとか、自分の中で役割を考えながらできている」。7月5日現在、打率.275、出塁率.333と過去3年を大きく上回っている。
また、盗塁もすでにキャリア最多の8個を記録しており、攻守走すべてでチームの勝利に大きく貢献している。その充実感も感じているからだろう。高卒選手だったこともあり、これまでは「かわいい」と表現されることが多かったが、今年は頼もしさが増し、表情にも精悍さと鋭さが加わった。
8月生まれの滝澤にとっては、夏は好きな季節。誰よりも躍動し、25年を最高の夏にしてみせる。
写真=BBM