試合を重ねるごとに頼もしさが増す。
サンドロ・ファビアンは、6月に月間打率.348、5本塁打、17打点で6月度「大樹生命月間MVP」のセ・リーグ打者部門に選出された。球団の外国人野手では2014年3、4月度の
エルドレッド、同9月度の
ロサリオ以来、11年ぶりの受賞。
監督推薦で球宴出場も決まった助っ人は「コンゲツモガンバリマス」と、トレードマークの笑顔がはじけた。
リーグ首位打者争いをけん引する働きで打線を支えている。
6月終了時点でチーム三冠王。6月18日の
ソフトバンク戦(マツダ広島)では、2点を追う6回一死満塁から逆転グランドスラム。
ここまで10本塁打を放ち、球団助っ人で04年に40本塁打のラロッカ以来となる来日1年目の大台20発突破も期待される。
快音を響かせるたびに笑顔を浮かべ、バットでもキャラクターでもファンをとりこにする。7月1日からはチームの“顔”に抜てきされた。
笑顔のドアップの写真が、マツダスタジアム正面グッズショップの高さ6.6メートル、幅5.8メートルの巨大壁面に採用。新設された23年から
新井貴浩監督が2年間、今季は開幕投手を務めた
森下暢仁、ドライチ・佐々木泰が採用され、通算4人目だ。
チームは交流戦をセ最高の勝率5割で乗り切り、シーズン半分の72試合終了時でリーグ2位の好位置で折り返した。
首位・
阪神に食らいつきたいリーグ戦再開後だったが、6月後半から7月にかけて16試合連続3得点以下、その後も投打かみ合わない試合が続くなど、チームの状態は急落。借金7、5位で前半戦を終えた。
ファビアン自身も不振が続いたが、7月21日の
ヤクルト戦(神宮)の第1打席で33打席ぶりの安打となる適時打を放つと、第2打席にも適時打を放つなど、復調の兆しが見られる。
「自分のことより、チームの勝利。チームが優勝できるように力を発揮したい」
夏の暑さが本格化した今からが正念場。熱く盛り上げる猛打で、勝利を呼び込んでいく。
写真=井田新輔