プロ15年目で初めての苦難に直面している。
37歳ベテラン・秋山翔吾は、チームが88試合を戦った前半戦を終えて出場37試合、スタメンは16試合にとどまった。
開幕直後の故障で1カ月余りの離脱があったとはいえ、何より自身にとって物足りなさが残る状況だ。
開幕カードは3戦4安打と結果を残したが、3戦目の走塁で右足関節外側じん帯を損傷。5月13日に再昇格したものの、スタメンに名を連ねたのは復帰4戦目。
離脱中に
中村奨成が結果を残していた。その後は
大盛穂の台頭もあり、出場がないまま終える試合も少なくない。
豊富な経験を持つベテランであっても結果がすべて。6月12日の
ロッテとの交流戦(ZOZOマリン)の7回、左翼守備で勝ち越しの起点となる拙守(記録は三塁打)があった。そこから約1カ月、ベンチを温め続けた。
7月10日の
阪神戦(マツダ広島)でスタメン復帰。「これでダメだったらもう終わりかなと。そう簡単にチャンスは来ないなと思っていた」と必死に食らい付き、2安打2打点と意地を見せた。
秋山だけでなく、
菊池涼介らほかのベテランも、それぞれ差はあれど出場機会を減らしている。
新井貴浩監督の若手の積極起用もあるが、求められるのは若手を追い返すほどの結果。
「『後半、ベテランの力がいりますよ』というのは、もう聞き飽きている。優しい言葉を掛けてもらいたいとかも、ない」とプライドがにじむ。
チームは7月の急失速で、前半戦は借金7の5位で折り返した。7月は4勝16敗3分けと大きく負け越し、借金は一時11まで膨らんだ。だが、8月4日現在、2位までは3.5ゲーム差。
優しい言葉は必要ないかもしれないが、チームを先頭で引っ張るベテランは必要だ。
写真=井沢雄一郎