
シーズンのうっ憤をポストシーズンで晴らす
期待された
前川右京が再びファームから一軍に上がってきたのは、優勝が決まった後のペナントレース終盤だった。
9月22日に再昇格を果たすと2試合連続のタイムリーでCSでの出場をアピールした。さらにはプロ初の一塁守備も経験することになった。
「まだまだ完成したわけじゃないですけど、バッティングの状態は良くなってきているように思います」
2024年は主に六番・左翼で118試合に出場。実質2年目の今シーズン、長打のある外野手として左翼に定着ていくだろうと、昨シーズンからの流れから、そう思われていた。
監督は代わったが、今シーズンも2年連続で開幕戦にスタメン出場。だが順調に滑り出した後の5月中旬から不振に陥った。打てる外野手として評価された前川だけに、打率の部分が低下していくと物足りなさを感じずにはいられなかった。
一、二軍を行ったり来たりのシーズンとなってしまい、セ・リーグ優勝が決まった日もファームで過ごしていた。
胴上げとビール掛けにだけに参加することになった本人は「自信もあったし、悔しい」と寂しい思いをした。もちろん保証された立場でないのは承知している。外野で
島田海吏、
豊田寛、
小野寺暖、
高寺望夢、
井坪陽生らのライバルたちが今季は頻繁に起用されてきたからだ。
ストレートにいかに対応するかなど、
北川博敏二軍チーフ打撃コーチの指導を受けてきた。「結果を出すだけだと思う」とポストシーズンで反攻に転じる。
写真=BBM