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中日・田中幹也 好守で存在感を発揮/2年目の命運

 


 すっかり「忍者」という愛称が定着した。二塁の守備位置からセンター前に抜けようかという打球を猛ダッシュで追いかけ、逆シングルでキャッチすると、振り向きざまにジャンピングスロー。

 このプレーで幾度となくチームを救ってきた田中幹也にとってプロ3年目、実質2年目のシーズンは飛躍の年になった。

 守備に注目が集まりがちだが、打撃も成長した。9月13日の広島戦(マツダ広島)では零封負けした打線の中で一人気を吐いた。初回は先発・常廣羽也斗の低め直球を左前に運んで出塁。

 6回にも内角低め140キロの直球を左前にはじき返し、8回の第4打席では三番手・岡本駿から内野安打をマーク。今季6度目の猛打賞を達成し「次の打者につなげられた」とうなずいた。

 9月の月間打率は.424と打ちまくった。「相手投手は長打がないと考えた配球で攻めてくる。予想して対応できるようになってきた」と分析する。

 ルーキーイヤーの2023年は苦難のシーズンだった。オープン戦で一時、首位打者に立つなど大きな期待を背負ったが、一塁帰塁の際に右肩を脱臼。その後はリハビリに費やし、一軍出場はなし。

 昨季の112試合出場を経て迎えた今季も3月に右手有鉤骨を骨折し、出遅れた。5月に今季一軍初出場を果たすも、6月は月間打率.082と苦しんだ。

 ようやく7月に入って「イメージと実際が合ってきた」と復調。そこからは順調に数字を伸ばし、打率.270でシーズンを終えた。来季は二塁のレギュラーを確固たるものにする。

写真=BBM
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