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ソフトバンク・栗原陵矢 強い責任感「やると決めた以上、言い訳できない」/復活を遂げた男たち

 


 リーグ連覇を決めた一戦。栗原陵矢が復活を強く印象づける決定的な一打を放った。9月27日の西武戦(ベルーナ)。同点の場面で右中間フェンス直撃の勝ち越し適時二塁打。「このチャンスを絶対に生かそうと集中した。なんとかしたいっていう気持ちが一番だった」。145キロのフォークを仕留めた一振りは、3試合連続の決勝打。栗原らしい勝負強さがここ一番で光った。

 シーズンを振り返れば、ケガに泣いた1年だった。3月のオープン戦の守備中にフェンスに衝突。右脇腹を痛めて、開幕をファームで迎えた。4月に一軍復帰したが、打率1割台に落ち込むなど深刻な不振も経験。7月には同じ箇所を再び痛め再離脱。落胆は大きかった。

 小久保裕紀監督も「長引くのが一番だめ」と案じる中、患部に不安が残る状態ながら8月12日に実戦復帰。「自分が出ないと、ポジションがなくなる世界」と焦る気持ちから復帰を急いだ。

 指揮官は復帰時、「月間MVPを取るぐらい大爆発して、おいしいところをもっていってほしい」と期待を寄せていた。結果、9月は打率.373、2本塁打、16打点の大暴れで貢献。栗原は「本当にあの一言で自分の覚悟も決まった」と振り返る。有言実行の大暴れだった。

 離脱を経てたどり着いた復活の一途。「やると決めた以上、言い訳できない」。栗原の打撃が連覇を果たしたチームを鼓舞した。次なる目標は昨季果たせなかった日本一。プレッシャーの掛かる一戦が続く中、頼れる一打を放てる存在として、栗原陵矢は光を放ち続けている。

写真=BBM
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