
大学日本代表にも選ばれ即戦力として期待された一年目は結果を残せず。来季は一軍定着に向けて課題と向き合い続ける
早大を経て、2025年ドラフト5位で入団した吉納翼。ただ記念すべきプロ1年目を、ど派手に飾ることはできなかった。一軍初昇格は9月29日。同日の
オリックス戦(京セラドーム)で初スタメンを勝ち取ったが、3打数無安打2三振。今季は2試合の出場でプロ初安打もお預けとなった。
歩いてきた道は野球エリートと呼べるかもしれない。東邦高では1学年上の
石川昂弥(現
中日)とともに打線の中軸を任され、2年生ながら19年センバツ優勝に貢献。早大では4年時にリーグ戦で春秋連覇を達成。大学日本代表にも選出された。
東京六大学リーグでの通算打率は.255、13本塁打、52打点。長打力は魅力だが、プロでも課題となったのはミート率だ。二軍では95試合に出場し打率.223、5本塁打、32打点。逆方向にも長打を打てるパンチ力はあるものの、90三振と粗さが目立った。力強いスイングを保ちながら、どこまで確実性を上げていけるかだろう。
同じく即戦力と期待された同期でドラフト1位の宗山、同4位の江原らは一軍で戦力として躍動した。「刺激をもらいつつも焦りもある。半々の気持ちでした」と本心を明かした。結果を残せず、悔しさが残った新人年。ただ、もちろんこのまま終わるつもりはない。「一日一日を大切にやってきた。そこは自信を持ってやっていきたい」としっかりとした口調で前を見据えた。「頼りがいがある選手」が目標だというスラッガーは課題と向き合い、2年目こそ大きく羽ばたく。
写真=BBM