現実を受け止め、竹田祐は顔を上げた。「すごく応援してもらえた。相手の応援もすごかったので、楽しかったですが、負けてしまったので悔しい。反省するところはたくさんある」。セ・リーグを制した
阪神に挑んだ10月16日のCSファイナルステージ第2戦に先発。敵地・甲子園の雰囲気も、5回表終了後の降雨による47分間の中断も問題にしなかった。チームは延長10回にサヨナラ負けを喫したが、6回途中を2失点。自身の今季最終登板で、ドラフト1位の実力を発揮した。
「プロ野球選手になるという自覚が、やっと芽生えてきました」と目を輝かせたのが昨年11月のこと。社会人・三菱重工Westからプロの門を叩いた。目標は開幕ローテーション入りと2ケタ勝利。即戦力の期待を背負い「勝てる投手になりたい。マウンドで堂々として、弱いところを見せない投手を目指したい」と言葉に力を込めた。最速は153キロ。
三浦大輔監督も「投げっぷりが良くて、先発で力がある。楽しみでしょうがない」と高く評価した。
開幕からイースタン・リーグで登板を重ね、8月16日の
中日戦(バンテリンドーム)で初昇格を果たした。ケイのアクシデントを受け、プロ初登板初先発のチャンス。7回無失点で初勝利をつかんだ。「まだ自信は持てないので、一人の打者を抑えることを必死にやっている感じです」。謙虚な心を忘れず、ルーキーイヤーは6試合で4勝1敗、防御率1.69の好成績を残した。
DeNAに足りない右のエースを名乗れる有望株。2年目の飛躍が見える。
写真=BBM