その機動力は相手の脅威となった。1点を争う試合終盤に幾度となくバッテリーの警戒をかいくぐり、頭から滑り込んで二盗を成功させた。俊足の三森大貴は「ピッチャーの動きやクイックのタイムは頭に入っている。思い切っていくだけ」と落ち着いた口調で語る。周到な準備と度胸の強さでチームの勝利に貢献してきた。
ソフトバンクからトレードで
DeNAに加入したプロ9年目の今季は91試合に出場し、自己最多でリーグ3位の22盗塁。盗塁死は8度だった。6月8日の
日本ハム戦(横浜)では、1点を追う9回一死で一塁走者の代走で起用され、2球目に二盗を決めた。土壇場での同点劇を演出すると、延長10回にプロ初となるサヨナラ打を放った。
走塁担当のアナリストから得る情報や映像を基に相手の特徴を確認し、試合中も盗塁に備えてベンチから相手バッテリーを凝視する。「自分に保険をかけられる材料を持っておくことが大事。根拠があればあるだけスタートは切りやすい」と準備を徹底。故障のリスクを承知の上で「単純に足で行くより速い」とヘッドスライディングを選択してきた。
今季限りで退任した
三浦大輔監督は、31試合で三森を代走として起用した。「厳戒態勢の中でも決められるのはプロフェッショナル。三森でアウトならしようがない」と全幅の信頼を寄せていた。振り返れば、三森はシーズン中盤に「キャリアハイを超えられるように盗塁を積み上げていければ」と思い描いていた。有言実行でダイヤモンドを駆け回った。
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