気持ちを切り替え、前へ進むしかなかった。牧秀悟はプロとして、あるべき姿を心得ていた。「1回、沈むところまで沈んでいるので……。もう上がるだけだと思っています」。WBCからチームへ戻り、3月20日の
西武戦(ベルーナドーム)で一軍合流。「新たな気持ちで来ています」と自身にも言い聞かせるようだった。オープン戦は3試合に出場。6打数無安打だったが、3つの四球を選んだ。プロ6年目のシーズンが開幕。「優勝を目指してやることが一番だと思う」と力を込めた。
23年に続き、WBCの舞台を踏んだ。二塁のレギュラーを任され、1次ラウンドのチェコ戦(3月10日・東京ドーム)を除く4試合で先発出場。13打数2安打の打率.154、1打点にとどまった。日本としても連続世界一を逃し、準々決勝で敗退。ベネズエラのパワーに屈した。「本当に『ただ出ているだけ』という試合が多すぎた。ふがいなさはあるんですけど、これをプラスに変えて。よりポジティブに戦って、次につなげていかないといけない」。牧が言う「次」の第一歩は、3月27日の
ヤクルト戦(横浜)。立ち止まっている時間はない。
今季は開幕から「一番二塁」を任されている。体の強さ、長打力、出塁率や走力の高さ。
佐野恵太や
宮崎敏郎、
筒香嘉智らが続く打線は、つながれば破壊力は抜群だ。牧自身も昨年は左手親指の負傷に苦しみ、自己最少の93試合。キャリアで初めて規定打席に届かなかった。世界を相手に経験値を上げたことは事実。看板打者が心を燃やしている。
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