ブルペンにいつもと違う緊張感が漂っていた。その空気を切り裂くように、
和田毅投手が投げたボールが鋭く捕手のミットに突き刺さる。2月6日、和田がブルペンで投球練習を行った。捕手が立った状態で28球。これまで傾斜の確認のためにブルペンでキャッチボールをしたことはあったが、投球練習としては昨年の5月以来、実に9カ月ぶりだ。
投球練習を終えた和田は「マウンドで(力を入れて)投げられて(復帰までの)階段を上った」とホッとした表情。昨年の春季キャンプ中に痛めた左肩は状態の上下を繰り返し、約1年間苦しめられているのだから無理もない。この日の投球でベテラン左腕が復活へと大きく踏み出した。