勝負を決めたのはベテランのバットだった。5月29日の
ロッテ戦(札幌ドーム)、1点ビハインドの8回二死一塁で田中賢介内野手が代打で魅せた。今シーズン限りでの引退を表明している男が「真っすぐを狙っていました」と酒居の2球目を一閃。打球は右翼スタンドに吸い込まれる自身2年ぶりとなる逆転アーチで、チームに大きな1勝をもたらした。
お立ち台では涙をこらえながら「引退までに1本ぐらい打ちたいと思っていたし、お立ち台にも上がりたかった。ホームランバッターではないですけど気持ちよかったです」とコメント。指揮官も絶大な信頼を寄せる38歳。現役ラストイヤーも、背番号3の存在はまだまだチームに欠かせない。