「野球の技術習得は長し。されど野球人生は短し。」 この悲哀とはまったく無縁だった天才・張本勲 書籍というのは、その中身もさることながら装丁も大事である。その昔、「青山二郎の装丁なら何でも買う」という人がいたが、筆者の学生時代は「栃折久美子がいい」という同級生が多かった。2人は書籍装丁史上に残る名人だが、筆者の蔵書の“お宝”は、1941年(昭和16年)発行の哲学者・九鬼周造の『文藝論(ぶんげいろん)』(岩波書店)だ。
モスグリーンよりやや濃い緑のハード表紙のヘリを「ARS LONGA VITA BREVIS」のラテン語が取り巻く。これが実に効いている。俗に「芸術は長し、人生は短し」と訳される名言なのだが・・・
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