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昔から筋金入りの(?)アンチGだった「週刊文春」。評論家と記者が78年の宮崎キャンプでこんな目にあったことも

 

文・岡江昇三郎


「週刊文春」が巨人・原監督のスキャンダルを報じて大騒ぎになったが、第2弾ではDeNA・中畑監督の名前が出てきた。昔から、雑誌メディア(主に一般週刊誌)とプロ野球の球団は折り合いがよくなく、ほとんど定期的と言っていいほどモメ事が起きる。「週刊文春」を発行している(株)文藝春秋は「ナンバー」というスポーツ専門誌(隔週刊)も発行しているが、こちらは各球団と友好関係にあり、選手も「ナンバーの取材なら」と喜んで応じるケースが多い。このあたりは、創業者・菊池寛の柔軟さというか、あざとさというか(?)、とにかくバランス感覚にすぐれたこの人の精神が生きていると言えるのかもしれない。

 それはともかく「週刊文春」に戻ると、こちらは昔から筋金入りの(?)アンチ巨人。長嶋茂雄監督当時の78年の宮崎キャンプだったと思うのだが、前年途中に突然巨人コーチを解任されたOBの滝安治氏(故人)が評論家として同誌のS記者と取材にやってきた。ところが巨人は2人をグラウンド内に入れなかった。スタンドからの取材のみ。

 これに怒ったS記者が、巨人の広報担当のH氏(故人)に「どうしてウチだけ差別するのか!」と猛烈に食ってかかった。「巨人をいろんな角度から見て報道するのがウチの仕事なのだ」とS記者。すると「だから、スタンドの上の方から下の方から、いろんな角度から見てください」とH氏がのたもうた。これにはS記者も滝氏も口アングリ。「バカバカしい」と2人ともスタンドに戻っていった。のち、滝氏は80年創刊の「ナンバー」の専属記者に。 当時のキャンプはノンビリしたもので筆者は長嶋監督専用車に乗せてもらったことも。運転手役のHマネジャーが「どうせいま空だから乗ってよ」とバス停まで送ってくれた。写真は78年のキャンプ、オープン戦を終えシーズン前のファンの集いでの長嶋監督。この年はV逸。
おんりい・いえすたでい

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過去の写真から野球の歴史を振り返る読み物。

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