久々に珍しいものを見てしまった。4月22日の
楽天-
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)は、9回裏に、楽天・
福山博之投手が二死二塁から3連続四球、ソフトバンクの押し出しサヨナラ勝ちとなった(2対1)。二死なのにそこから3連続四球(敬遠もあったが全球ボール!)。「9回裏」の怖さである。
ソフトバンク・
工藤公康監督は「ナイスゲーム!」と喜色満面。元投手として福山を気遣うような感じではなかった。工藤監督は
西武での現役時代、
広岡達朗監督に、ヒットを打たれても何も言われなかったが、四球を出すと死ぬほど怒られたそうだ。西武の捕手だった楽天・
大久保博元監督もそのへんはしっかり教育されてきたハズ。しかし、それでも四球は出してしまうものなのだ。
では、読者は次の数字を見てどう思うだろうか。143、127、280、273。これは、イーグルス(黒鷲)の
亀田忠投手の38年春から40年にかけての4シーズンの四球数である。40年などは被安打数(247)より多いのだから恐れ入る。ちなみにこのシーズンの奪三振は297(奪三振王)。被安打、四球、奪三振がすべて200以上なんて投手は亀田のみ(39、40年と2度)。今後も出ないだろう(まず、使われない)。
プロ野球草創期ならではの数字と言えば言えるのだが、亀田のこの4シーズンの防御率は、2.06、2.54、3.08、1.77と決して悪くないのだから、ますます不思議な投手である。38年春は防御率6位と健闘。40年は26勝もしており、43完投はプロ野球最多。完封も10。40、41年にノーヒットノーラン。亀田にとって、四球は、想定内というより、どうでもいいものだったのかも。
亀田はハワイ大出身の日系2世(写真右)。左は捕手のハリス。福山クン、3連続四球なんて、どうでもいいんだヨ。