中公新書の新刊、『プロテスタンティズム』(深井智朗著)を読んでいたら、14世紀のイングランドの平均寿命は24歳とあった。これには驚いた。若死になんてものじゃない。当時の人間の目の前には、常に「死」がぶら下がっていたワケで、宗教についての考え方も、現代人とはまるで違ったものだったハズだ。
ところで、プロ野球選手の“平均寿命”はというと、こちらは7年ほど。現代の日本人は、40年ぐらいは働かざるを得ないのだから、これは恐ろしく短命である。プロ野球選手にとっての宗教は「根性」か「練習」か、はたまた「家族」か。筆者には分からないが、目の前に常にぶら下がっているのは、ミもフタもない話になるが「失業」の2文字だ。
実際のところ、引退後の人生で成功できるかどうかは、大リーグでも最大の関心事のようで、いまだに、あのタイ・カッブの成功例が話題になる。カッブは、1928年、42歳の年に引退したが、そのとき、不動産のほかに100万ドルの預貯金があった。いまなら何十億円だろう。これだけあれば、余生は安泰だが、自分の名を冠した記念病院を建てたりできたのは、その名声を巧みに利用したからだろう。
日本のプロ野球選手の経済的、社会的成功例として筆者がすぐ思い浮かべるのは・・・
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