週刊ベースボールONLINE

MLB最新戦略事情

マイナー拒否条項を持つメジャー契約選手たちの苦闘と苦悩

 

 1年半前を思い出して欲しい。パイレーツの姜正浩は契約前、本人の同意なしにはマイナーに落とせない条項が欲しいと強く求めた。しかしニール・ハンティングトンGMはそれはできないとし、その代わり「われわれは君をマイナーに送るために獲得するのではない。すべてのチャンスを与えるから」と約束した。

 姜は春のキャンプ、打率2割。開幕後、マイナーには落ちなかったが、4月28日まで先発はわずか5試合、22打数4安打だった。こういうとき、監督、コーチは「なんでこんな選手を取ったんだ」とメディアに愚痴り、アッという間に欠陥商品扱いされてしまう。しかしパイレーツは違った。監督、打撃コーチが姜と常に話し合い、打撃面での修正をほどこした。そして5月半ばから出番が増えてくと、.287、15本塁打、58打点と大活躍している。

 この成功が、昨オフの韓国人野手獲得ブームにつながったのだが、今年オリオールズのやっていることは何なんだ?と思う。金賢洙がどうしても欲しかったのだろう。2年700万ドル+本人の了解なしにはマイナーに落とせない条項も入れた。オープン戦、金の成績はさえない。GMは一方的に地元メディアに開幕はマイナーと発表する。さらにそれを契約条項に基づき拒否する金を、メディアを使って悪者扱いした。そしてシーズンに入ると、ベンチに置き続ける。

オープン戦の結果が悪くマイナー行きを通告されたが契約条項でマイナーに落とせなかった金賢洙。シーズンは試合に出れば結果を残しているが…/写真=Getty Images


 開幕から13試合でわずか8打席、6打数3安打2四球。出れば結果を出しているのだが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

MLB最新戦略事情

MLB最新戦略事情

メジャーから発信!プロフェッショナル・アイデアの考察

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング