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【大学 University】

2013年東都大学一部春季リーグ展望

4連覇狙う亜大は新エースがカギ握る
「戦国東都」は4月8日開幕!

4月8日に神宮球場で開幕する東都大学一部春季リーグ戦。
昨秋まで3季連続優勝中の亜大だが、絶対的エース・東浜巨(現ソフトバンク)が抜け、新エースの確立が4連覇への絶対条件となる。
今春は、古豪・専大が12季ぶりに一部を戦い、昨秋5位に沈んだ青学大が巻き返しを目指すなど、「戦国東都」の戦いはますます激しさを増しそうだ。

 エース・東浜を擁し、昨秋に3季連続優勝を果たした亜大。東浜が在籍した8シーズンで亜大が挙げた61勝のうち、右腕の勝利数は35。チームの白星の半数以上を生み出していただけに、4連覇へ向けて新たなエースの台頭が不可欠だ。筆頭は、2年秋から2回戦の先発を務めてきた最速147キロ右腕・九里亜蓮(4年・岡山理大付)。ここに抜群の身体能力を誇る山崎康晃(3年・帝京)が候補に挙がっているが、生田勉監督は「1、3回戦で完投できることが最低条件。まだそこに値する選手はいない」と厳しい。指揮官の期待に応えるべく、両右腕がしのぎを削る。例年、得点力不足に頭を悩ませる打線だが、今季は厚みを増した。中村篤人(青森山田)、中村毅(中京)、原田拓也(福岡第一)、嶺井博希(沖縄尚学)ら4年生を筆頭に、法兼駿(高知)、水本弦(大阪桐蔭)、田端良基(同)ら即戦力ルーキーが加入。「まずは一部に残ること」(生田監督)と謙虚な姿勢を崩さないが、4連覇へ向けて戦力は整いつつある。

▲4季連続優勝がかかる亜大。右腕・九里は東浜に続くエースとして期待されている[写真=BBM]



 昨秋、2004年春以来の2位に躍進した中大は、3年生となった甲子園連覇左腕・島袋洋奨(興南)が投手陣の柱となる。昨年は左ヒジ痛の影響で登板は少なかったが、現在は復調。「好調時の状態に戻りつつある」と、秋田秀幸監督も期待を寄せる。2番手投手には、3年生コンビの上田晃平(南宇和)、石垣永悟(桐蔭学園)が台頭。エースを中心に投手陣が力を発揮できれば、04年秋以来の優勝も現実味を帯びる。打線では、主将の二十八貴大(4年・岩国)が核となる。「絶対に四番を渡したくない」と、強いこだわりを持ち、左打席から打点を量産する覚悟だ。リーグ戦の経験豊富な影山潤二(4年・桐蔭学園)らが脇を支え、覇権奪回を目指す。

 駒大は、白崎浩之(DeNA1位)ら主力を張った最上級生が抜け、若いチームへと生まれ変わった。エース候補は2年生左腕の今永昇太(北筑)。最速144キロのキレある直球が武器で、「あとはいかに変化球を磨けるか」(西村亮監督)。新人の中川源和(宇和島東)、谷中文哉(盈進)にも期待が集まる。昨年は春秋ともに打率リーグ1位。中心だった江越大賀(長崎海星)、下川知弥(筑陽学園)、福山亮(東海大相模)の3年生トリオが今年も軸となる。しかし、指揮官は「打線は計算しづらい」と、今季は昨年よりも機動力を重視する意向を示しており、一、二番を構成する齋藤導久(3年・愛知)、砂川哲平(3年・明豊)に期待が集まる。

 昨秋3季ぶりに一部を戦った国学院大は、ドラフト候補の右腕エース・杉浦稔大(4年・帯広大谷)が1回戦に先発予定。そのほかの投手で2回戦の先発を争うことになるが、開幕ギリギリまで見極めは続きそう。「2戦目を任せられる投手が出てくれば」と、鳥山泰孝監督もキーポイントに挙げている。打線は昨秋打撃10傑入りした一番・山下幸輝(3年・関東一)、三番・春田一馬(4年・瓊浦)が軸となり、石川良平(4年・桐蔭学園)は四番、主将、捕手の重責を担う。10年秋の初優勝時同様、「チーム一丸で戦うこと」が、国学院大のスタイルである。

 あわや最下位に沈みかけた昨季の雪辱を晴らそうと意気込む青学大は、最上級生となった齋藤英輔(青森山田)に注目だ。最速152キロの直球を武器に、昨夏に痛めた足首のケガも癒え、今季は主将としてフル回転を誓う。打線では昨年、1年生ながら2季連続で指名打者のベストナインに選出された吉田正尚(敦賀気比)が頼もしい。河原井正雄監督は「第1週の亜大、第2週の中大をしっかり戦って勢いに乗りたい」と話しており、開幕ダッシュに成功すれば、06年春以来のリーグ優勝も視野に入ってくる。

▲昨秋は5位に沈んだ青学大。主将兼エース・齋藤を軸に復権を期す[写真=BBM]



 12季ぶりに一部を戦う専大。投手陣は山田智弘(4年・県岐阜商)、池田駿(3年・新潟明訓)、大野亨輔(2年・星稜)が3本柱を形成する。中でもエース・山田は最速148キロの球威ある直球を軸に、カーブ、スライダー、スプリットと変化球も多彩。高橋薫監督も「1試合を投げ切ってほしい」と、期待をしている。「何とか3点以内の試合にしたい」とロースコアゲームを目論む指揮官。少ないチャンスをモノにするため、打線は足をからめた攻撃で1点を取りにいく野球が求められる。東都最多の31度のリーグ優勝を誇る古豪が果たしてどこまで食い下がることができるだろうか。

 各校の監督が「優勝と最下位は紙一重」と口をそろえる「戦国東都」。春の神宮を熱くする戦いは、4月8日に幕を開ける。


2013東都大学一部春季リーグ日程
4月8日(月)
亜大-青学大 10:30
駒大-専大 13:00
9日(火)
専大-駒大 10:30
青学大-亜大 13:00
16日(火)
中大-青学大 10:30 ※
国学大-専大 13:00 ※
17日(水)
専大-国学大 10:30 ※
青学大-中大 13:00 ※
23日(火)
亜大-国学大 10:30 ※
中大-駒大 13:00 ※
24日(水)
駒大-中大 10:30 ※
国学大-亜大 13:00 ※
30日(火)
亜大-専大 10:30
駒大-青学大 13:00
5月1日(水)
青学大-駒大 10:30
専大-亜大 13:00
7日(火)
中大-専大 10:30
国学大-亜大 13:00
8日(水)
青学大-国学大 10:30
専大-中大 13:00
14日(火)
亜大-駒大 10:30 ※
中大-国学大 13:00 ※
15日(水)
国学大-中大 10:30 ※
駒大-亜大 13:00 ※
21日(火)
駒大-国学大 10:30
青学大-専大 13:00
22日(水)
専大-青学大 10:30
国学大-駒大 13:00
28日(火)
亜大-中大 11:00 ※
29日(水)
中大-亜大 11:00 ※

すべて神宮球場。頭字校が三塁側先攻。第3週以降の火・水は東京六大学の予備日のため使用日となった場合は順延。
※はプロ併用日。第3戦など1日1試合のときは12:00、プロ併用日の場合は11:00 開始。開会式は神宮球場で4月8 日午前9時20分より。
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