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第85回都市対抗野球大会チームリポート1
3年ぶり出場・室蘭シャークス(室蘭市)の遠かったドーム初白星

試合巧者を前に「3度目の正直」ならず

「1への執着!」。今年の室蘭シャークスが掲げるスローガンだ。この“1”には、さまざまな意味がある。一球一打への集中。守備・走塁での一歩目のスタートを早く切る。試合に向けて一つひとつの準備をしっかりと行う……。また、昨年の日本選手権で得点を奪えずに敗退したことから1点を奪うことにもこだわった。特に力を入れたのが、小技と機動力。

 今年6月のJABA北海道大会では、犠打やヒットエンドランなど練習の成果を発揮し準優勝。「この結果が自信となって、戦える気持ちと技術の準備ができました」と庫田雄平監督。こうした多くの“1”を積み重ねていった先にある、次なる執着……それは「3度目の正直」となる悲願の全国1勝にほかならなかった。

 19日の2回戦の相手はJR東日本(東京都)。11年の覇者で12、13年も決勝進出を果たし、連覇を遂げたJX-ENEOSの前に涙をのんだ強豪。3年ぶりの黒獅子旗を目指す相手の重圧は想像以上だった。先発・関谷亮太(明大)の前に3回までパーフェクトに抑えられる。4回、一番の嶋田源太郎(流通経済大、JR北海道から補強)が右翼線に二塁打。二番の比嘉泰裕(富士大)が犠打を決め一死三塁の好機も、あと一本が出ずに無得点。その後、2度目のチャンスが巡ってくることはなかった。5回以降に放った安打はわずか1。攻撃の中心と考えていた嶋田が両足をつってしまい、途中交代を余儀なくされるアクシデントもあって、試合を通じて2人しか出塁できず、14三振で完敗(0対3)した。

「昨冬からマシンの球速を150キロに設定して打ち込んできましたし、北海道大会を見ても、それなりに打てると思っていたのですが……。都市対抗という特別な雰囲気のなかで実力を出せるかどうかが優勝候補との差。出直したいと思います」

▲3度目の出場で大会初勝利を目指した室蘭シャークスだったが、厳しい現実をたたきつけられた[写真=平山耕一]



 昨秋の日本選手権での完封負けから雪辱を誓ったはずの今大会でまたもシャットアウトされ・・・

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