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東京六大学

 

活性化施策を立案した企画を神宮球場のリーグ戦で運営


来春開講する「東京六大学野球ゼミナール」の説明会が11月28日、法大キャンパスで開催。東京六大学各校から46人が参加し、耳を傾けた



 東京六大学野球連盟は11月28日、加盟6校に在学する学生で2016年度の3年生を対象とした「東京六大学ゼミナール」の説明会を、法大市ヶ谷キャンパスで開催した。この日の受講希望者は、全六大学から46 人。最終エントリーは12月19日までに申し込む。定員は1〜15人で、来年1月の面談を経て2月1日にメンバーが決定する流れとなっている。

 同ゼミナールは「東京六大学野球」を題材としたスポーツビジネスを学ぶ場だ。東京六大学野球連盟は今秋、結成90周年を迎えたが、100年に向けて数年前から活性化を目的とした取り組みを始動させている。6校のOB会会長による「六考会」からの任命を受けた各校OB・OGが活性化プロジェクトチームを発足。六考会の下部組織で、今回のゼミナール開催もその活動の一環となっている。

 4月6日に開講式を行い、春から秋にかけて隔週の水曜日に計10回の講義を行う。講師は野球部OBでスポーツ等に関わる各業種から10人。リーグ戦開催中の土、日のいずれかも活動日で、これらを通じ東京六大学の活性化策を立案し、17年1月には東京六大学野球連盟へ企画書の提出とプレゼンを実施する。企画が通った3年時の施策を、4年春のリーグ戦で実際に運営。各試合後に報告書を提出し、ミーティングで情報共有、分析と検討を行う。秋には2年間の活動を踏まえて、12月に修了発表を行う。なお、同ゼミの修了にあたっては、各大学の単位振替などの措置は行われない。説明会の最後に東京六大学野球連盟・内藤雅之事務局長は学生を前にして言った。

「各大学、応援部らが努力を続けていますが、どうすればお客さんを呼べるか。私が望んでいるのは、学生がいかに神宮へ足を運ぶか。東京六大学は対抗戦ですから、各校の学生が母校を応援するのが一番の姿。もっと学生が神宮に来られるような良いアイデアを共同提案してもらえると、これほどうれしいことはない。受け入れられる企画は実践したい」

プロ入りを前にしてお金の管理、税金と法律を勉強


 同連盟は学生の「入口」と「出口」においても、手厚い指導を行っている。12年から1年生を対象とした「新人研修会」今年からは4年生に向けた「就職セミナー」を開催。また、ドラフト指名選手に対しての「プロ野球進路・選択部員向け研修」が12月1日、東京都内で行われた。10月22日のドラフト会議で指名を受けた8人のうち7人と、球団とNPBに就職する2人の学生が出席した。

 春先の段階から同連盟内では構想が練られていたが、10月に巨人選手による「野球賭博」が発覚。NPB、球団、選手会でも同様の研修はあるが、それに先立ち「基礎知識として把握しておけば、さらに頭に入りやすくなる」(内藤事務局長)との目的で、このタイミングで行われた。講師として税理士、弁護士らから「プロ野球選手とお金、そして税金」「プロ野球選手と法律、そして社会」について約2時間30分の話があった。

 阪神1位の高山俊(明大)は「プロ野球選手としての常識を聞けて、勉強になった」と成果を言い、巨人2位の重信慎之介(早大)は「ちょっとしたことでも賭博になる。自分は(ギャンブルを)しませんが、引き締まる思いはあります」と話した。

12月1日、ドラフト指名8人のうち7人が、プロに関するお金、法律ついて研修を受けた(左から立大・大城=オリックス、明大・坂本、明大・高山=ともに阪神、慶大・山本=巨人、慶大・横尾=日本ハム、明大・上原=日本ハム)

アマチュア野球情報最前線

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