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第98回全国高校野球選手権東・西東京大会

 

早実の2年生怪物が開会式で昨夏に続く「甲子園」を宣言!!


東・西東京大会開会式が7月2日、神宮球場で行われた。25社87人の報道陣が詰め掛け、お目当ては早実2年生・清宮。前年の西東京大会優勝の早実は、関東一[東東京大会優勝]と並んで先頭で行進した/写真=松田杏子


 報道陣からの鋭い質問にも、17歳の怪物は動じなかった。早実・清宮幸太郎は昨夏、1年生スラッガーとして打率.500、10打点で5年ぶりの甲子園出場。今夏の開幕までに高校通算50本塁打と、目標の「80本」も通過点の勢いだ。7月2日、神宮で行われた東・西東京大会の開会式後、清宮は2度目の夏を迎えた「2年目のジンクス」を問われている。

 本来、プロ野球で聞かれる「2年目のジンクス」。開会式は昨年同様、安全面から開始まで別室で待機し、引き揚げも別ルート。移動の車は高校野球では使わない、三塁のビジター駐車場が用意された。つまり、超高校級をも“超越”した大物なのだ。

「どういうことですか?」

 清宮はある記者から「2年目のジンクス」の説明を受けると、あらためて「知らなかったです」と、屈託のない笑顔を見せ、爆笑を誘っている。天真爛漫、重圧とは無縁の男なのだ。

 視野も広い。早実(西東京)は前年優勝校で、関東一高(東東京)と並び東西265チームの先頭で行進した。

「入場してくる各校の表情を見ても引き締まっているな、と。開会式の直後には試合があり、負けるチームも出る。勝負の時期が来たな、と」

 昨夏の甲子園では2本塁打を放ち4強進出。1年生で唯一、侍ジャパンに選出され、U-18W杯では銀メダルを獲得した。だが、自校では新チーム結成以降、秋春とも都大会2回戦で敗退。6月には「この夏が最後のつもり。2年間、お世話になった上級生(3年生)と甲子園へ行く」と、2年生ながら覚悟を語っていた。

「甲子園でやり残したことがたくさんある。それをやり切るためにも、西東京の代表にならないといけない。昨年の加藤さん(雅樹、早大1年)のように頼られる打者、打点が欲しいところで稼げるようにしたい」

 西東京大会が神宮を会場とするのは準々決勝以降。早実も5回戦まで、八王子で試合が組まれる。この日の開会式、神宮に立つのは、昨夏の決勝(対東海大菅生高)以来だった。

「本当に久しぶりに来たな、と。この雰囲気が甲子園への道なんだ、と。昨年もこの中でやっていたんだと再燃してきたので、またここへ戻ってきて、優勝して甲子園に行きたい」

 初戦は7月10日の2回戦(啓明学園高)だ。金子銀佑主将(3年)が「第二のキャプテン」と信頼する2年生。今年も真夏の到来とともに、爆発の予感がする。(文=岡本朋祐)
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