日本生命は今年7月の都市対抗で初戦敗退。日本選手権は初戦突破を果たしたが、2回戦で準優勝・日本通運に惜敗した。今年1年、結果を残せなかった名門だがすべてが貴重な経験である/写真=松村真行
“追われる立場“から連覇の難しさを改めて実感
昨年の日本生命は、都市対抗と日本選手権の二大大会を制覇し、完ぺきなまでの復権を果たした。投打に安定感があった戦いには王者の風格。今年は「打倒・日生」が他チームのテーマであり、追われる立場となった日本生命は「常勝」を求めてシーズンをスタートさせた。
だが、その青写真は儚くも未完成のままに……。王者は苦悩の1年を過ごすことになる。
都市対抗初戦敗退はチーム状況をよく物語っていた。同じく連覇を狙った秋の日本選手権では初戦突破。ただ、全日本クラブ野球選手権大会を制して出場権を得たビッグ開発ベースボールクラブを相手に、序盤3イニングはスコアレスという展開で3対0。辛くも勝利した印象を残した。そして、迎えた日本通運との2回戦。今季を象徴する展開が待っていた。試合後の十河章浩監督だ。
「初回に4点を取られて、まさに今年の負けパターン。今年はシーズンを通して、先発投手が初回につかまるケースが多かった。前半に点を取られて追いかける展開を強いられ、それを引っくり返す力がなかった。最後までその形で負けた感じです」
立ち上がり、先発の8年目右腕・佐川仁崇(同大)は内野ゴロ2つで簡単に二死を奪った。上々の滑り出しだ。だが、内野の失策をきっかけに4連打を浴びて4失点。十河監督は肩を落としてこう振り返る・・・
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