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東京六大学リーグ

1年生・関根智輝(慶大)が圧巻の投球で新エースに名乗り

 

東大、立大との開幕2カードを終えて勝ち点2を奪取した慶大[4月25日現在]。関根は3試合に登板して2勝(防御率1.80)と安定した投球を見せている/写真=川口洋邦


「都立の星」から「神宮の星」へ


「ブン投げろ!」。4月24日、立大3回戦の試合前。慶大の1年生右腕・関根智輝(1年・都立城東高)はブルペンでの投球練習後、捕手の郡司裕也(2年・仙台育英高)から叱咤された。

 その2日前。関根は立大1回戦で先発したが、被安打6で2失点し、4回で降板した。郡司はこの投球に「うまい投球をしようとして、腕が縮こまっている」と感じていた。

 1回戦は2対2で引き分け。登板機会がなかった2回戦は2対4で敗れた。「この試合は落とせない」と3回戦の先発マウンドに上がった関根は、しっかり腕を振った。140キロ前後の直球とツーシームが冴えた。5点リードで迎えた7回に無死一、二塁としたところで交代したが、6安打9奪三振の無失点で今季2勝目。勝負を4回戦に持ち込む立役者となり、「大学でここまで長いイニングを投げたのは初めてなので、最後はバテました」と、笑顔で振り返った。

 昨夏、関根は都立城東高のエースとして、チームを東東京大会で4強に導いた。最速145キロ右腕としてスカウトも注目したが、夏の大会前に胃腸炎となり「ここで胃腸炎になるのは一流ではない」と、プロ志望届の提出を回避し、進学を決意する。

 夏休みには1日約10時間の勉強をして慶大のAO入試を突破。環境情報学部に入学し、昨夏の甲子園準V右腕・大西健斗(1年・北海高)とともにベンチ入りメンバーが生活する第一寮に入寮した。4年後のプロ入りを目指すが、「セカンドキャリアを考え、勉強にも力を入れたい」と語る。寮から湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)までの通学には往復3時間以上かかる。「今は授業とリーグ戦に精いっぱい、ついていっています」と初々しく話す。

注目されるからこそ寮や試合後の雑用を率先


 高校時代は球速にこだわっていたが、大学ではそれを捨てた。きっかけは春のオープン戦だった。社会人・セガサミーとの試合で・・・

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