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東京六大学リーグ

野球人生をかけた田口喜将(早大)の最後の挑戦

 

写真=太田裕史


仲間の支えと努力で“課題”を克服した苦労人!


 早大・安部球場の右翼側ファウルグラウンド。一人で黙々と、ネットに向けて送球の練習を繰り返した。気がつけば、日が暮れていた。

 左投げ左打ちの外野手・田口喜将(4年・早実)。高校3年夏の甲子園で4強入りも、2回戦以降は先発を外れ、大会通算6打数1安打の成績で「大学でやり返そう」と16年、早大に進んだ。

 当時、4歳上の兄で、二浪して東大に入学した耕蔵が、主軸打者としてリーグ戦で活躍していた。自分も神宮のグラウンドに立ちたい。だが、田口は「イップス」に悩んでいた。

 ネットを相手に、投げる練習を始めた。横から投げてみた。目をつぶって投げることもあった。まわりの視線を気にせず、いろんな方法を試した。先が見えず、つらい日々だった。考え込み、眠れない夜もあった。

 3年春。まずは打力を買われ、代打としてリーグ戦初出場を果たす。東大1回戦でサヨナラ適時打(初打点)を打つなど、「代打の切り札」となる。

 少しずつ、人に対して・・・

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