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東京六大学リーグ

堀井哲也監督(慶大)が語る「活動自粛」との向き合い方

 

昨年11月の明治神宮大会で19年ぶりの優勝。同秋まで率いた大久保秀昭氏(現JX-ENEOS監督)に代わり、昨年11月までJR東日本を率いた堀井哲也氏が母校を指揮している。監督就任早々、試練に直面しているが、確立された指導法で学生と日々、現実と向き合っている。

練習環境は言い訳にならない。限られたスペースで取り組み、意識次第ですべてが変わる/撮影は今年1月


技術向上のキーワードは「意欲」と「知識」


 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた3月31日、慶應義塾体育会からの要請により、野球部も活動自粛となった。4学年で144人の大所帯。昨年12月から母校を指揮する堀井哲也監督は全部員との個人面談を実施し、この期間中もコミュニケーションを欠かさずに行っている。

 学生たちは毎朝、9時までに「行動確認表」を提出する。検温、自覚症状の有無、前日の自主トレーニング内容などを記載。マネジャーが144人分を一覧表にして、堀井監督のスマートフォンへと送信する。

 指揮官は一人ひとりの体調をチェックし、練習内容を見た上で、各個人のLINEへメッセージする。50人ほどは実家へ帰省しているが、遠隔地であってもSNSを駆使。細かい部分にまで気を配って、コンディションの維持に努めさせている。

 堀井監督はキャリア豊富だ。社会人・三菱自動車岡崎では創部時からチームの土台を築き、2001年の都市対抗で準優勝。卓越した手腕が評価され、転籍したJR東日本では激戦区・東京において昨年までの10年連続を含む、15年で14回の都市対抗出場。東京ドームでの本戦では優勝1度、準優勝3度と常勝チームを作り上げた。慶大卒業後に入社した三菱自動車川崎時代はマネジャー経験もあり、チーム運営に長ける。次年度の高校生、大学生の採用に関しては時間があれば、自ら足を運び、その目で確認。それこそ、NPBスカウト以上に全国の有力選手の情報が頭に入っている。採用した選手にはグラウンドでの対話を大事にしてきた。歴史、ルール等についても勉強を欠かさない。昨年12月にバトンをつないだJR東日本・濱岡武明監督が、前指揮官を「野球博士」「歩く選手名鑑」と称賛するのも相違はない。

 こだわってきた「現場主義」。今回はこれまでにない指導体制となるが、堀井監督は、この状況と向き合う。

「いま、求められているのは・・・

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