東京都高等学校野球連盟は6月1日、緊急理事会を開き、同連盟独自の「2020年夏季東西東京都高等学校野球大会」を7月18日に開幕することを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全国大会(甲子園)と地方大会が中止となり、3年生のための“代替大会”を模索。都教育委員会からのガイドラインを受け、夏の独自大会の開催が決まった。 6月1日の緊急理事会後、東京都高野連・武井克時専務理事[左]は記者会見で大会開催の経緯を説明した。右は堀内正会長/写真=椛本結城
3年生のため「発表する場」を設定
行政と東京都高野連によるギリギリの“攻防”が展開されたようだ。6月1日、緊急理事会後の記者会見で東京都高野連・武井克時専務理事の言葉から、緊迫感が伝わってきた。
「果たして大会が開けるか? 東京都教育委員会とやりとりをしながら、いろいろな観点で話をしてきました」
東京都高野連は全国47度道府県連盟で、どこよりも早く「地方大会」へ向けて具体的に運営を進めてきた。5月7日の常務理事会の時点で第102回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)の開催可否にかかわらず、夏の東西東京大会を開催へ準備する方針を確認。6月に緊急事態宣言が解除され、学校と部活動が再開されることを条件としていた。13日には同選手権東西東京大会の暫定日程を発表。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開幕日を当初から1週間遅れの7月11日に設定した。抽選会は代理抽選、開会式は中止。部員登録、選手変更締め切りなどのスケジュールを加盟校にアナウンスし、開催への意欲を形で示してきたのだ。
1週間後の20日。日本高野連は理事会において、第102回全国高等学校野球選手権大会の中止を決定。全国大会(甲子園)と紐づいている地方大会も中止となった。つまり、甲子園の代表校を決める東西東京大会は消滅し、新たに代替大会を模索する次のステージへと移ったのだ。武井専務理事はあくまで、東西東京大会の開催にこだわった。22日に球場主任会議を開き、大会運営を担当する役員からの現状報告を受け、「7.11」を逆算して準備を進めていた。
事態が大きく動いたのは28日だ。25日の緊急事態宣言の全面解除を経た28日、東京都教育委員会は・・・
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